サイバネティックス
ニュートンに代表される <物質>や<エネルギー> を中心とした近代科学の
パラダイムから20世紀後半以降の<情報>に重点をおいた科学への転
換における中心的思想。 1948年にアメリカのノバート・ウィナーが著した
「サイバネティックス」の中で ギリシャ語の「操舵手」 を語源として命名され
確立された。
ウイナーは第二次世界大戦を背景とした高射砲の研究において、標的
や環境など決定できない振る舞いに 統計学・確率論からアプロ-チ
し、対象の状態の変化に応じて機械を制御するという フィードバック
の問題を取り上げた。 そして、これがまた人間の生理学上のある
種の問題にも応用出来ることを発見し、理論化を進めた成果がサイ
バネティックスの原型といえる。
当時においても、この決定出来ないシステムとその要素に対する確率
論的アプローチは、 すでに論理学・数学・物理学・工学・生理学・気象学
といった様々な学問分野で試みられ研究に利用されていた。
ウイナーはこれらの分野の研究者との交流を通して、そこにある普遍
性を認識し、数学的基礎と名前を与えることで、 真に学際的な研
究領域を開拓したといえよう。
このウイナーの研究はクロード・シャノンの理論と深く結び付き 「情報論」と
して現在のコンピュータ科学や分子生物学など多くの科学の基礎とな
り、また多くの学問分野を生み出す母体ともなっている。
その射程は、これらいわゆる理系の分野にとどまらず、 人類学や
社会学あるいは精神医学にまで及んでいる。そのためサイバネティックス
の副題である「動物と機械における制御と通信」 というだけでは
この言葉を捉えることはもはや難しい。
ちなみにこのサイバネティックスが今日のサイバーバンクに代表されるいわゆ
るサイバー語の語源であり、 この概念が科学を越え文化一般へと広
がり、まさに現代のキーワードとなっているといえるだろう。
<参考>
http://cgi.osk.3web.ne.jp/~fubuki71/icc/cybernetiq.html
通信と制御と統計力学の問題を、機械も生物も含め一括して研究
する学問。アメリカのノバート・ウィナーが1948年に著書「サイバネティックス」で導入
した。 通信、計算、自動制御などの成果の総合であり、これらの関
連性を明確にし、相互促進するための全体的展望でもある。
サイバネティックスは以後の 情報科学、人口知能、ロボット工学、自己組織論
などの礎石となった。
サイバネティックスは、 デカルト、ニュートン以来の「近代科学」と性格がやや異な
る。 例えば、生命や情報に重きをおき、デカルト的なものと心の二元
論に再考を促した。 また、決定論、機械論に代わり、確率的予測理
論、 目標値と達成値の違いを縮めるためのフィードバック制御理論を
提示している。
さらに脳や生体等の自然システムと人工の機械システムとの関係、自動機
械の可能性と限界の考察を通じ、 認識論、人間論、社会科学、文明
論等への示唆も大きい。
<参考>
99.01.01 「imidass」
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